はじめに
京都大学出身の作家、森見登美彦。
彼の作品には非常に顕著な特徴があります。
それは森見さんの操る”言葉”です。
破壊力抜群の言葉を巧みに使いこなす森見さんの小説は、非常に中毒性があります。
話の展開が面白いのはもちろんの事、言葉の使い方が他の作家とは全然違い、非常に個性的です。
また、ある作品の中に出てきた登場人物が、他の作品の中に登場したりするのも面白いです。
「あ、これあの作品に出てた!」というのを見つけるのも、森見登美彦さんの小説を読む際の楽しみの一つだと思います。
今回はそんな個性的な森見登美彦さんの小説から、オススメの3つを紹介します。
第3位 『夜は短し歩けよ乙女』
軽快に話が進んでいくのがこの『夜は短し歩けよ乙女』の特徴です。
二人の男女の視点で話は進んでいきます。
謎解き的な楽しさもあり、且つ森見さん独特の言葉づかいをひしひしと感じられます。
ちなみに2017年の4月にアニメーション映画化されました。
映画ももちろんいいですが、ぜひ小説で一度読んでみてください!
第2位 『新釈走れメロス』
走れメロスといえば、太宰治の走れメロスを思い出すと思います。
この『新釈走れメロス』では、その太宰治の走れメロスのエッセンスは残したまま、現代チックな話にアレンジされています。
もちろん、走れメロスを題材にしているな、というのは分かるのですが、全く別物です。
完全に森見ワールドが広がっています。
また、走れメロス以外にも、中島敦の山月記、芥川龍之介の藪の中、坂口安吾の桜の森の満開の下、森鴎外の百物語が題材になっています。
どれも有名な作品ばかりですね。
もちろん『新釈走れメロス』は、それらの原作を読んだことがなくても十分に楽しめます!
実際私は初めてこの作品を読んだ時、芥川の藪の中、坂口の桜の森の満開の下、森鴎外の百物語を読んだことがありませんでした。
『新釈走れメロス』では、5つの短編がそれぞれリンクして、一つの大きな話になっています。
また、森見さんの『四畳半神話大系』の登場人物等も出てくるので、『四畳半神話大系』を読んでから読むとさらに面白いかもしれません。
第1位 『四畳半神話大系』
『四畳半神話大系』は文句なしに面白いです。
4つの話が収録されているのですが、それぞれ平行世界です。
ですので、それぞれ同じ登場人物が出てきます。
第2話を読み始めた時、「あれ、これ第1話のデジャブじゃない?」と不思議に感じます。
しかし、読み進めていくうちにそのトリックがわかります。
第3話も第4話もめちゃくちゃ面白く、また主人公の”私”と腐れ縁の”小津”のコンビは最高です。
ぜひ他の森見登美彦さんの小説を読む前に、こちらの『四畳半神話大系』を読んでみてください!
本当におすすめです!
終わりに
今回は3作だけを紹介しましたが、もちろん他にもいっぱい森見登美彦さんの面白い小説はあります。
でも、まずはここに挙げた3冊を読めば間違いはないと思います。
森見登美彦さんの言葉遣いは他の作家さんとは全く異なっているので、はまるととことんはまると思います。
ぜひ、その言葉遣いに魅了されてみてください!