「株式投資」と聞くと何をイメージしますか？
日本では株式投資と聞くと、ギャンブル、賭け事、リスキーなどといったことを思い浮かべる方が多くいます。
しかし、そのイメージは間違っています。
もちろん、株式投資のやり方によっては、リスキーなギャンブルとも成り得ますが、
本来株式投資はギャンブルではありません。
株式投資に対してあまりいいイメージを持っていない方、
そして株式投資を始めたいけど株式投資ってそもそも何なの？と疑問に感じている方のために、
株式投資とは一体どのようなものか、その本質を説明していきます。
また、株式投資で儲けるとは一体どういうことか、そしてそのための方法についても説明していきます。
Contents
ある会社の株式に投資するとは、その会社を所有することである
まず、株式投資の「株式」の部分から説明していきます。
株式とは、ある会社の所有権のことです。
もし、ある会社が100株発行しており、あなたがその会社の株を1株所有していれば、
あなたはその会社の1%を所有していることになります。
「え？会社って社員のものではないの？」
「会社は社長のものでしょ！」
そんな風に思われる方もいますが、会社は社員や社長のものではなく、株主のものです。
もちろん、創業者の社長などは、自分の会社の株式を所有している場合が多いので、
そのような場合はある意味社長のものと言っても間違いではないですが。
ただ、会社は株主のものですが、会社を経営をしているのは株主ではありません。
株主に委任されて会社を経営しているのが社長をはじめとした会社の経営陣です。
しかし本質的には、会社は株式を保持している人(株式を購入した人,株主)のものです。
なので、会社が事業活動を通じて得た利益は、本来株主のものです。
もしあなたがある会社の株式の1%を所有しており、その会社が1億円の利益を出した際、
その1%に当たる100万円は本質的にはあなたのものです。
ただ、その利益を株主に還元するのか、それとも会社の内部にとっておいて新たな事業を行っていくのか等は経営陣が決めることになります。
この点は次に説明する株式投資での儲けと関係があるので、覚えておきましょう。
ここまでの内容を簡単にまとめます。
・株式とは会社の所有権のことである
・会社は株主のもの
・会社の経営陣は株主の代わりに会社を経営している
・会社の利益は本質的に株主のものだが、それを株主に還元するかどうかは経営陣が決める
株式の価格(株価)はどのように決まるの？ 株価の本質はその会社の将来の利益だ
会社の所有権を表す株式ですが、その価格(株価)は日々変化しています。
だからこそ、その株式を売買することでお金が儲かるのですが、
そもそも株価はどのように決まっているのでしょうか。
株価は、他のものと同じように需要と供給によって決まります。
その会社の株式を欲しいと思う人(需要)と売りたいと思う人(供給)によって決まります。
売りたいと思う人が多ければ、株価は下がりますし、買いたいと思う人が多ければ株価は上がります。
が、これは株式の価格(株価)の本質の一面に過ぎません。
先ほども述べましたが、株式とは会社の所有権であり、会社の利益は株主のものです。
この点を考慮すると、株価というのは会社の価値を表しており、
それは即ち将来にわたってその会社がどれだけの利益をもたらしてくれるのかを反映しているものだというのが分かります。
その会社がこれから将来にわたって、多くの利益を上げると思えば、その株価は上昇していきますし、
今後その会社の利益が下がっていくと思えば、その株価は下降していきます。
これが株価の本質です。
株価とは、会社そのものの価値を表すものであり、本来は会社の利益を基に算出できるのです。
もちろん、現実世界の株価は必ずしも将来の利益を考慮せずに決められている場合もあります。
特に短期的な株価の上下を見ると、それはとても顕著です。
しかし、長期的に見ると、やはり伸びている(もしくは今後も伸びていくと思われる)会社の株価は上昇しています。
株式投資をする際には、この株価の本質を理解しておく必要があります。
目の前の数字だけを追っていると必ず痛い目をみるので気をつけましょう。
株式投資での儲け(利益)は大きく分けて２つに分類できる
ここまで、株式は会社の所有権であること、そして株価は本質的には会社の利益に基づくものである、ということを説明してきました。
ここからは、そんな株式を実際に購入したり保有したり売却したりすることで得られる利益(ここで言う利益は会社の利益ではなく、株式投資の結果得られるあなたの儲けのこと)について見ていきます。
株式投資で得られる利益(あなたの儲け)は大きく分けて二つあります。
１、キャピタルゲイン
２、インカムゲイン
この二つに分けられます。
カタカナで表記すると難しく感じますが、その実態は非常にシンプルです。
まず一つ目のキャピタルゲインですが、株式の売買の差額による利益を指します。
10,000円で買った株式を、15,000円で売却したら、5000円の利益が出ますが、
このように株価が比較的安い時に買い、株価が高くなった時に売ることで得られる利益のことです。
この例の場合のキャピタルゲインはもちろん5000円ですね。
一方インカムゲインは、株式を保有していることで得られる利益のことを指します。
先ほども述べましたが、株式は会社の所有権のことであり、会社の利益は株主のものになります。
会社が利益を上げた際に、会社の経営陣が株主にその利益の一部を還元するのですが、
その還元(配当)によって得られる利益をインカムゲインと言います。
分かりやすく言うと配当です。
インカムゲインは、株式の持分によって決まります。
例えば、会社が1億円儲け、会社の経営陣がその1億円のうち5000万円を株主に還元することを決めたとします。
この時、もしあなたの持分が、その会社の株式全体の1%であった場合、あなたの手元には配当(インカムゲイン)として50万円が入ってきます。
ここまでをまとめると、
・株式投資で儲けるには２種類ある。キャピタルゲインとインカムゲインの２種類。
・キャピタルゲインとは、株式の売買の差額での儲け
・インカムゲインとは、株式を保有していることで会社からもらえる配当
以上の３点のようにまとめられます。
一般的に、短期で株式の売買を繰り返している人(デイトレーダーなど)はキャピタルゲインをメインに、
長期間保有している人は、キャピタルゲインだけでなく、インカムゲインもメインにしています。
(長期間保有していれば、インカムゲインとキャピタルゲインの両方が手に入ります。)
以上が株式投資についての本質的な説明です。
ここからは、株式投資を行う際に重要なことを説明していきます。
株式投資で最も重要なことは、会社の未来を見ること
ここまでの説明で、株式投資で儲けるためには、
株価が上がるか、それとも配当を受けとるかのどちらかしかないことが分かったと思います。
そして重要なのは、そのどちらにしても、会社が利益を上げることが基盤になっています。
株価に関しては、会社が利益を上げるから、もしくはその会社が今後も利益を上げていくと思うから株価は上がるわけです。
そしてそれがあなたのキャピタルゲインにつながります。
また、会社が利益を上げるから、あなたはその会社の株式を保有していれば配当がもらえます。
どちらにしても、あなたが株式投資で儲けたいのなら、あなたの投資した会社(あなたが株式を購入した会社)が将来にわたって利益を出していく必要があります。
言い換えると、将来にわたって利益を出していくだろう会社の株式を購入することが、株式投資で儲けるために最も重要なことです。
ですので、株式投資をする際に最も大事なことは、その会社の未来を見ることです。
目先の株価ばかりに注目していては、運良く短期的には儲けることができるかもしれませんが、長期的に見て儲けることは難しいです。
目先の株価ばかりに注目し、その本質を見失ってしまえば、その株式投資はたちまちギャンブルとなってしまいます。
株式投資をする際には、ぜひこの点に気をつけて下さい。
会社の未来を見る方法は存在するのか？
では、会社の未来を見る方法は存在するのでしょうか？
どの会社が今後利益を上げていくのかを発見する方法はあるのでしょうか？
その答えは、もちろんありません。
そのような方法があれば、誰もが株式投資に成功し億万長者になれますが、残念ながらそのような方法はありません。
しかし、確実ではないにしろ、それなりの予測を立て、自分なりに分析をすることは可能です。
それをするかしないかでは、長期的には必ず差が出てきます。
分析の仕方や方法論は株式投資に関する本(例えば『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』など)に書かれているので、ここでは詳しく説明しません。
(巷ででかでかとしたタイトルで売られているような株式投資の本は、所詮目先の数字を追いかける方法や役に立たないテクニックらしきものを説明しているゴミ本ばかりです。本を選ぶ際には気を付けましょう。)
ただ、大事なのはその会社が長期的に成長していくかどうかをしっかり考えることです。
そのような癖がつけば、株式投資はギャンブルではなくなっていきます。
今後伸びていく分野・業界は何なのか、もしくは今後も変わらず安定して利益を上げるだろう分野・業界は何なのか。
そのような事を考える事は株式投資で長期的に儲けるためには必須となります。
ぜひ株式投資を始めようかと考えている人は、株式投資の本質をしっかり理解した上で始めてみてください！
すでに株式投資をしているけど全然儲からないよ、という人も、目先の数字ばかりを追いかけていないのか自問してみてください。