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はじめに
人工知能を独学で学びたいと思っている人は多くいると思います。
しかしいざ学ぼうと思っても何から手をつけたらいいのか分からないのが現状だと思います。
周りに人工知能(AI)分野のエンジニアがいたり、人工知能分野に詳しい人がいれば、
その人に聞くことができますが、そうでもない限り、どのようなステップを踏んで勉強していけばいいのか分からないと思います。
今回はそんな人のために、人工知能を独学で学ぶための方法を紹介していきたいと思います。
そしてそれを幾つかのステップに分けて紹介していきます。
一つずつその階段を登っていけば、人工知能に関してかなりのレベルまで達することができます。
そのステップは以下の5つのステップです。
ステップ1 人工知能の概要をつかむ
ステップ2 人工知能で用いられるPythonを身につける
ステップ3 人工知能を支える技術(ディープラーニングやニューラルネットワーク)の理論を学ぶ
ステップ4 実際に人工知能を一から実装してみる
ステップ5 外部ライブラリを用いて実装してみる
最終ステップでは、自分自身で人工知能を開発、実装する、もしくは人工知能を用いたWebサービスを開発するといったところを最終目標に設定してあります。
最後のステップまでこなせば、その段階までたどり着くことができます。
そこまで求めていないよ、という人も、一つ目のステップをこなすことで、人工知能の概要を掴んだり、人工知能のビジネスについて詳しくなることができます。
それぞれの目標、目的にあったところまでぜひ学んでみてください。
それでは早速、独学で人工知能を学ぶための方法をステップ別に紹介していきます。
ステップ1 人工知能の概要をつかむ
独学で人工知能(AI)を学ぶためには、まず人工知能がどのようなものであるかを理解しなくてはなりません。
人工知能は何ができて何ができないのか。
また今後どのような方面に発展していくのか。
どのようなビジネスで使われていくのか。
これらのことをこのステップで学びます。
また、詳しく理論を知る必要はありませんが、簡単な原理もはじめに学んでおくと、今後詳しく勉強する際に非常にスムーズに学べます。
このステップに関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
概要に関してはこちらの記事で紹介してある本のうち、1、2冊を読めば、独学でも人工知能の概要をマスターすることができます。
人工知能の概要を掴むために最もおすすめしたい本は上の記事でも紹介していますが、人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)という本です。
この本を読めば、人工知能の概要がざっと掴めます。
ステップ2 人工知能で用いられるPythonを身につける
現在人工知能はPythonというプログラミング言語で実装されています。
人工知能に関わっていくためには、Pythonを身につける必要があります。
実際に人工知能を用いてビジネスがしたい、人工知能の開発をしてみたい、という人は人工知能の詳しい理論を学ぶ前にPythonを身につけたほうが効率良く学べます。
(ただ、そこまで求めていないよ、という人はこのステップを飛ばしてステップ3に進んでください。)
幸いなことに、Pythonは独学でも身につけやすいプログラミング言語です。
ですのでPythonを学ぶための基礎的な本を2冊ほど読めば、すぐに基礎は身につきます。
Pythonに関する本はこちらで紹介しています。
ちなみにこの記事ではステップ2だけでなく、ステップ3、4、5についても詳しく書かれています。
ステップ3 人工知能を支える技術(ディープラーニングやニューラルネットワーク)の理論を学ぶ
人工知能の概要を学び、さらに上のステップに進みたいと思った人は、人工知能(AI)を支える技術であるディープラーニングやニューラルネットワークの理論を詳しく学ぶ必要があります。
人工知能の理論を詳しく学ばないで、いきなり人工知能を用いたサービスを作ったり、人工知能を実装しようとしても、必ずつまづきます。
ですので、まずは人工知能の詳しい理論を学ぶ必要があります。
しかしそこまで難しいものではありません。
独学でそれらの理論を学ぶ際におすすめの本が二冊あります。
一冊目が深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)という本です。
この本ではディープラーニングやニューラルネットワークなどについて非常に詳しく説明されています。
この一冊を読めば、人工知能のコアとなる部分の理論は身につけることができます。
もう一冊おすすめなのはゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装という本です。
こちらはステップ2でPythonを身につけてから読むべき本ですが、非常にわかりやすい本です!
理論を学ぶと同時に、学んだ理論を使って実装まで行えます。
プログラミング経験者やPython経験者は『深層学習』を飛ばして、『ゼロから作るDeep Learning -Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装』を読むことをおすすめします。
また、プログラミング初心者やPython初心者の方も、真面目に勉強する気があるなら、ステップ2でPythonを身につけた後に、『深層学習』よりも『ゼロから作るDeep Learning -Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装』を読むことをおすすめします。
人工知能を用いてサービスを開発したり、人工知能を実装したりする必要がないよ、という人は『深層学習』を読めば十分だと思います。
ステップ4 実際に人工知能を一から実装してみる
このステップはステップ3とかなり被るのですが、
人工知能の詳しい理論を学んだら、それを実際に一から実装することをおすすめします。
確かに外部ライブラリ(TensorFlowやChainer)を用いれば比較的簡単に人工知能を実装することができますが、
その中身を知らないとうまく使いこなすことはできません。
今後独学で人工知能に関わっていくためには、やはり外部ライブラリを用いずに一度自分で人工知能を実装するべきです。
その際に非常に有用な本がゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装です。
ステップ3でも紹介した本です。
先ほども紹介しましたが、こちらの本を用いれば、人工知能の詳しい理論を学ぶと同時に、その実装も行うことができます。
(もちろんPythonを使用します。)
ステップ3とステップ4はこの一冊で一気に学べます。
人工知能を独学する際には、今のところこの本は外せないかな、と個人的には思います。
ちなみにステップ2〜ステップ5まではこちらの記事で詳しく説明しています。
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
ステップ5 外部ライブラリを用いて実装してみる
ステップ4までこなせば、人工知能をマスターしたと言っても過言ではありません。
正直独学でこのレベルまで達することができればかなりすごいと思います。
最後のステップは、実際に人工知能を使いこなすステップです。
Googleが開発したTensorFlowという人工知能のためのライブラリ、もしくは日本で開発されたChainerというライブラリを使っていきます。
ステップ4では一から人工知能を実装しましたが、それを毎回行っていては時間が足りなくなってしまいます。
もちろん独学で人工知能をマスターするなら、一度はその道を通らなければなりませんが、その理論をしっかりと身につけられたら、二回目以降はライブラリを使って効率良く実装するべきです。
ライブラリを用いれば、効率的に実装が行えます。
その際に現在主流となっているライブラリがTensorFlowとChainerです。
どちらを使うかは完全に好みになりますが、TensorFlowはGoogleが開発したものなので、将来性はこちらの方があるかもしれません。
実際にステップ4までで人工知能の詳しい理論、実装方法が身についていれば、このステップは比較的容易に行えます。
それぞれのライブラリについて詳しく説明した本を一冊読めば、あとはネットで調べながら開発していくことができるようになります!
TensorFlowに関するおすすめの本はTensorFlowで学ぶディープラーニング入門 ~畳み込みニューラルネットワーク徹底解説~です。
また、Chainerに関するおすすめの本はChainerによる実践深層学習です。
それぞれライブラリの詳しい説明が書かれています。
独学でも全然読みこなすことのできる本です。
こちらのステップに関しても、詳しいことはこちらの記事で書いています。
番外編 数学(線形代数や微分・積分)を学ぶ
ここまでが独学で人工知能を学ぶための全てのステップでした!
最後に番外編として数学についても少しだけ触れたいと思います。
人工知能の概要を学ぶだけなら、数学は必要ありませんが、
人工知能を支える技術や理論を詳しく学んだり、実際に実装したりする際には数学が必要となってきます。
理系の方は問題ないと思いますが、数学が苦手な方や文系の方はハードルが高いと思います。
ですので、もし人工知能の理論を学ぶ際に数学的につまづいたら、ぜひ一度数学の勉強をしてみてください。
線形代数や微分・積分が必要となってきますが、独学でも良著を読めば非常に効率良く学ぶことができます。
また、数学は一度身につければ一生使えます。
線形代数のおすすめの本はプログラミングのための線形代数という本です。
詳しく、そして何よりも非常に分かりやすく解説がなされています。
微分・積分に関してはゼロから学ぶ微分積分 (KS自然科学書ピ-ス)がおすすめです。
初学者でも分かりやすく、つまづかずに微分・積分をマスターできます。
ちなみに人工知能の数学に関してはこちらの記事でも解説しています。
まとめ
今回は人工知能を独学で勉強するための方法、ステップを紹介しました。
全てこなすのはなかなか大変だと思いますが、
一つずつこなしていくことで、着実にレベルアップすることができます。
人工知能はこれから間違いなく伸びていく分野ですので、もしその分野に関わりたいなら早めに関わっていくことが大事です。
独学でもかなりのレベルまで達することができます。
特に最近は人工知能を学ぶためのいい本が続々出てきています。
ぜひ人工知能を学んで、実際に実装できるレベルまで達しましょう!
コメント
AIを独学で学びたいと思い拝見させて頂きました。訪れる前までどういう教材がありステップがあるのかすらわかりませんでしたが、この記事のおかげで独学の流れが見えた気がします。
コメントありがとうございます!
今後もAIに関する記事(特に独学で学ぶ方法等)を書いていく予定なので、ぜひ今後も見ていってください!